Sept. 11-12, 2013
かねてよりの課題エリアである、宇奈月トロッコアクセスでの黒部川に行ってきました!ここは2年前に訪れてたくさんの可能性を感じた場所です。今回は1泊2日で時間をかけてじっくり下ってきました。
1日目

鐘釣温泉から川を遡ります。
かねてよりの課題エリアである、宇奈月トロッコアクセスでの黒部川に行ってきました!ここは2年前に訪れてたくさんの可能性を感じた場所です。今回は1泊2日で時間をかけてじっくり下ってきました。
PackRafting Kurobe River Kaneturi "鐘釣” Japan from SunnyEmotion on Vimeo.
1日目

鐘釣温泉から川を遡ります。

胸までの徒渉も出てくるようになってきたので、アルパカドライスーツに着替えます。このドライスーツはパックラフティング用に透湿性重視で作られているので、着たまま歩いても蒸れませんでした。
今回の装備に関しては、あらためてブログに詳細をエントリーしたいと思います。

水量が多い時は大変なことになっているであろうゴルジュ帯

注意しないと流される徒渉。これ以上の水量だとボート1艇膨らまして、フェリーグライドして、そのままボート運んだ方が早いかもしれません。

瀬を入念に下見しながら、やっと小屋平ダム直下に到着。ここを超えるのは難儀しそうです。

いよいよ川下り。
歩きスタートだと、どうしてもダウンリバー始める時間がおしてしまうことが多く、今回もちょっと不安な時間帯にプットイン。

Photo:Yusuke Nagasawa / Boater:Kengo Shibata
深い谷だけに薄暗くなるのも早く、黒部渓谷の威圧感に圧倒されながらも瀬にチャレンジ!
クリアしたときは最高の瞬間です。

Photo:Yusuke Nagasawa / Boater:Kenji Shiozaki
すごいです!1つ1つ岩がでかい。

Photo:Yusuke Nagasawa / Boater:Kengo Shibata
緊張のドロップ。しっかりとブーフしないとやられそうです。
フリップもありましたが、なんとか無事安全地帯まで下ってこれました。

夜はBBQで英気を養います。
2日目

大きめタープとシュラフカバーのみで寝ましたが、朝方はまあまあ寒かったです。この辺は自分的には、まだまだ検討の余地ありです。連泊や雨でも快適で、かつウルトラライトなセットアップを極めて行きたいです。
2日目は、時間に多少余裕があったので、またちょっと遡ってから下りました。

Photo:Yusuke Nagasawa / Boater:Kengo Shibata
アルパカラフトも、しっかりブーフできます!今回はカーゴフライ艇を導入したのですが、よりカヤックに近いフィーリング。この辺も別エントリーで紹介させてもらいます。
カヤッカーN氏によるとアルパカラフトの挙動は「2D的」だそうです。ドロップでの着地も非常に安定していて、結構どこでも行けてしまうボートとの評価です。対してカヤックは「より3D的」で、技術を極めればどこまでも上達できるが鍛錬が必要とのことです。
ここが今回の、核心部の1つという場所を改めてスカウティングします。

ここでトラブルが発生!!!
N氏が瀬で流された時に、足首をひねり歩行が困難な状態に。
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そこから先は足首を固定して、ゆるい場所は川を、歩ける場所は歩き、岩場は3人で協力し、なんとかトロッコ終電までに脱出することができました。トラブル発生から約4時間のことでした。後に足首の外果骨折と判明しました。
今回のレスキュー劇の一部始終を伝えることはしませんが(※ウィルダネスファーストエイドなどの適切なトレーニングが必要であり、簡単に説明できることではないので)、感じたこと、再確認したことをいくつか。
・渓谷地帯で怪我をした場合、ヘリを呼ぶにも広い場所まで運ばないと無理。今回の場所もほとんど無理な場所とのことだった。そもそも渓谷地帯でのヘリレスキューはリスクが高く容易に要請していいものではない。
・自力で公共交通が期待できる所まで移動できるとしても、一晩を、現場で明かさなければいけない場合もある。アクセスの困難な場所に行くときは、非常食や防寒着など予備の装備は必須。
・パーティの人数が物を言う場合もある。伝令役など人数がいれば効果的。
・アルパカラフトは現状、流水上でのエスキモーロールが現実的な技ではない以上、常に流される可能性を考えて、瀬を下る、もしくは下らない判断をするべき。
・鍛錬しないうちに激しい所に行けてしまうアルパカラフトは、エスカレートしすぎないように十分な注意が必要。常にワーストケースも考えておいた方が良い。
上記の内容が全てを網羅しているわけでは全くありませんが、アクセスの困難な山奥で行うパックラフティングも(カヤックも)、本格的な沢登りやバックカントリースキーなどと同じ感覚で望むべき行為であるということです。
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北アルプスの中を流れる黒部川は、急勾配さと水量の豊富さから、たくさんのダムが建設され、黒四ダムより下流は基本的にダムにコントロールされた水量が流れる川ですが、至る所に大河の片鱗を感じることができました。

今回は16〜12トン(m³/s)という水量でしたが、ダムがないとすると75トン(m³/s)くらいの水が流れるとのことでしたが、この地形に5〜6倍くらいの水量が流れていると思うと、なんて荒々しく、素晴らしい川なんだろうと思います。まあ、ダムで水量がコントロールされ、パックラフトがあったから下れた訳ですが。

今回も新たな課題を残してきたので、また訪れたい場所です!
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